アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる原因に黄砂が挙げられます。
黄砂とアトピー性皮膚炎とは全く無関係のように感じますが、
実は、大きく関係しているのです。
黄砂といえば、春先によく天気予報などで耳にすると思います。
中国を中心とした東アジアの砂漠地帯、ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠地域で、
風により数千メートルのが高い高度まで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が、
偏西風に乗って日本に飛んできて、大気中に浮遊あるいは降下する現象です。
この時期、車のガラスに黄色い砂が積もっているのを何度も目撃します。
この現象は、昔から発生している自然現象なので、中国、韓国、日本の古文書には、
よく「雨土」「赤雪」「黄雪」などの表現で顔を出しているようです。
しかし最近では、この現象が単なる自然現象ですまない状況になっています。
日本に来る黄砂を形成する砂の大きさは、直径4ミクロン程度のものが最も多いのです。
1ミクロンが1mmの1000分の1なので大変小さな粒子であることがお分かりでしょう。
問題はここからです。黄砂粒子を調べると、自然起源ではない物質、
アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなどが検出されるのです。
飛来の過程で人為起源の大気汚染物質を取り込んでいる可能性があり、
この大気汚染物質と小さな粒子がミックスされアレルゲンとなり、
アトピー性皮膚炎の悪化原因になっていると考えられるのです。